やさしい にぽん
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扶養から外れる妻。そのとき夫の税金はいくら増える?

扶養から外れる妻。そのとき夫の税金は増えるのか?答えは増える、です。夫が払う税金は増えます。ただし、少しの修正も必要です。正しくは「配偶者控除が使えなくなるから、夫の税金が増える」です。税金はどれくらい増えるのか?確認してみましょう。

なお、妻と夫の立場を入れ替えても同じことが言えます。

夫の税金は最低でも約2万円増える

夫の税金がいくら増えるかを確認してみましょう。所得税の税率は課税所得金額によって決まります。最初にその税率を確認しておきましょう。

課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円

(以下省略)


配偶者控除が完全に使えなくなると、課税所得金額が38万円増えます。38万円の5%は19,000円。38万円の10%は38,000円。38万円の20%は76,000円です。

夫の課税所得金額を確認し、それに応ずる税率に38万円をかければ、夫の税金がいくら増えるのかが分かります。夫の税金は、課税所得金額が一番少ない場合でも19,000円は増えます。

扶養とは何か?

この機会に扶養についても考えてみましょう。「妻が夫の扶養から外れる」という言い方があります。この場合の扶養は、社会保険の中で使われる言葉です。税金の中では、夫婦間で扶養という言葉は使いません。使われるのは「配偶者控除」です。今はさらに「配偶者特別控除」という制度もあります。夫の税金に影響を与えるかどうかは、「配偶者控除」および「配偶者特別控除」によって決まるので、この制度の仕組みを考えることが大切です。扶養という言葉は忘れてください。

配偶者控除配偶者特別控除

配偶者控除または配偶者特別控除を利用するための条件と控除額を説明します。

配偶者控除

もっとも重要な条件は妻の年間の合計所得金額が48万円以下であることです。これは、妻がパートで働いているなら「年収103万円以下でなければならない」ことを意味します。この条件に合致すれば38万円の配偶者控除が利用できます。ただし38万円は最大額です。夫の合計所得金額によって控除額は変わります。夫の合計所得金額が1000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられなくなります。

夫の合計所得金額 配偶者控除
900万円以下 38万円
900万円超950万円以下 26万円
950万円超1,000万円以下 13万円

配偶者特別控除

配偶者特別控除は2018年に始まったばかりの新しい制度です。妻の年間の合計所得金額が48万円より多くなったときに利用できます。配偶者特別控除の額は、条件に応じて1万円から38万円まで細かく設定されています。この場合の条件とは、夫の合計所得金額と妻の合計所得金額の組み合わせです。

妻の合計所得金額 夫の合計所得金額
900万円以下900万円超 950万円以下950万円超 1,000万円以下
48万円超95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超133万円以下 3万円 2万円 1万円

配偶者控除または配偶者特別控除の控除額と、控除を利用したとき、利用しない時の所得税の違いの例を以下に示します。

例1

夫の合計所得金額 150万円
妻の合計所得金額 30万円
対象の控除と控除額 配偶者控除/38万円
対象の控除を利用するときの所得税 (150万円-38万円)×5%=56,000円
対象の控除を利用しないときの所得税 150万円×5%=75,000円

例2

夫の合計所得金額 300万円
妻の合計所得金額 110万円
対象の控除と控除額 配偶者特別控除/26万円
対象の控除を利用するときの所得税 (300万円-26万円)×10%-97,500円=176,500円
対象の控除を利用しないときの所得税 300万円×10%-97,500円=202,500円

例3

夫の合計所得金額 980万円
妻の合計所得金額 50万円
対象の控除と控除額 配偶者特別控除/13万円
対象の控除を利用するときの所得税 (980万円-13万円)×33%-1,536,000円=1,655,100円
対象の控除を利用しないときの所得税 980万円×33%-1,536,000円=1,698,000円

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鈴木玲(ファイナンシャルプランナー)